月に一度くらい、私はとあるメンバーで飲みに行きます。

見た目はもちろん指先の仕草・立ち居振る舞い・所作・服装のセンスまで美しいA姉さん。
県大会記録を出して早12年(記録は未だ破られず)、激烈体育会系らしいガッツと人情とがさつさを持ち合わせるBさん。
音大を出て、海外留学も経験し、美的センスだけは誰よりも持ち合わせていると豪語するCちゃん。
(どれも先輩ですが…敬称によって私の日頃の接し方が分かるでしょう)

誰もが酒には弱くなく、A姉さんにいたってはその他の三人を涼しい顔して撃破するような酒豪だったりします。
四人で飲みに行くようになって、もう二年くらい経つのでしょうか。一応この飲み会、ルールがあります。
「とりあえず一件目は新しいお店にしようね☆」
当たり前だろうって思いますか?
えぇ、私も当たり前かなって思ってましたが、このルールにはCちゃんの陰謀があったのです…

Cちゃんは美しいものが大好きです。
バーでも居酒屋でも、見目麗しい男に声を掛けないことがありません。
「うわぁ、C(自分の名前)お兄さんの為だけに通っちゃおうかなぁ〜」
「○○くんじゃなきゃ、C、注文しないからぁ(いつの間に名前を…)」
「やだやだ!メールアドレス交換するの!」
Bさんともぞはとりあえず別の話をしてやり過ごし、A姉さんは「いいわねぇ、ときめきがあって…ふふ」と婉然と微笑みます。

「ねぇ、Cちゃん、ちょっとあからさまじゃない?」
「馬鹿ねぇ、飲み会では飲み屋の男をからかい倒す、それが楽しいんじゃないの。大丈夫、私ダーリンにしか興味ないから♪」

そう、Cちゃんは逆ナンをするために新しいお店を選んでいるのです。
そして、大抵それは上手く行き過ぎます。

もぞ「ねぇ、こないだのお店、行かない?」
C 「駄目。あそこだけは駄目。毎日メール送って来るんだよ、○○くん。大人の付き合いが分からない男って面倒くさいし、会いにいったら勘違いされちゃうわ」
もぞ「勘違いさせるつもりで媚びてたもんね、あんたは」
C 「人聞きの悪い…飲み屋で働く男の嗜みでしょ?あぁいうトークってさぁ。それが分からない男なんて飲み屋でバイトしちゃ駄目よねぇ」

一件目が必ず新しいお店なのは、彼女に後ろ暗いところがありすぎる為だったりもするのです。
こうやって私たちは世界を広げているようで追いつめられている飲み会を繰り広げています。

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