思い込み 担当:もぞ
2004年9月4日日頃の私は大変うかつな性質です。
そのうかつさを偉そうな態度と自分をも騙す思い込みで隠し通して生きています。
かつて「厚底」な靴が流行っていた時期がありましたよね。ハイヒールとは違い、踵だけでなく爪先の方まで高さのある形状の靴です。
厚底って私の好みから言えば全く触手が動かないものだったんですが、その年の夏先に見掛けたストラップ付きのサンダルには何故か一目惚れ。
さすがに10?の厚みはないのですが、5?くらいの厚さはありました。ヒールのある靴そのものを履かない私にとっては未知な履き物…それが悲劇を生んだのです。
とある日曜の昼下がり、デートのためにサンダルを履き、家を出た3分後。
横断歩道上で何故かクラクションを鳴らされた私は小走りになりました。慣れない靴、「青じゃん」という憤り…そして私はこけました。
「パキン」という音と感覚が足の方から伝わってきます。とりあえず路上でこけた恥ずかしさを隠すため、何事もなく歩き始めるしかなかった私。しかし「パキン」が気になって仕方なく恐る恐る足下をみつめました。
「…何ともなってないね」
外見は異常なし。
「少しは痛いけど…」
そして私の脳裏に父親の台詞が浮かんできました。
***
世の中の「しなくていい経験」の半分くらいしているかと思われる私の父。日頃はこの父が嫌いな私なのですが、我が身にピンチが訪れるとやはり彼を思い出してしまいます。
幼き日、父に遊ばれて怪我をした私は「骨折した!そうに違いない!」と彼を罵倒しておりました。
父は睨み付ける母の横で涼しい顔をしていました。
「いいか?骨折をすると激痛のあまり歩けなくなるんだよ。お前は歩けるだろう?歩ける以上は骨折してないんだ。…そんなことも知らないのか?」
「知ってるわよっ!」(負けず嫌い…)
***
骨折すると痛みで歩けなくなる。ということは。
「痛いけど歩けるから…きっと捻挫ね♪」
そう思った私は足下を見るのをやめました。日頃20分で行き着く道のりを50分かけて歩かなければならないほどの痛みに襲われながら「でも歩けるし」という思いだけで前向きになる私。
そしてデート中も「捻挫したみたいなの」と言うことであまり動かなくて済む内容に終始して貰いました。
ようやく痛みが尋常ではないかも、と思ったのは夕方のことでした。笑っても痛い。呼吸しても痛い。
「ごめん、足が痛いからもう帰るわ」
夕御飯を一緒に食べることなく痛みに敗北する私。
家に帰り着いてまじまじと足を見ると…足首より先が紫色に変色し、象さんのように腫れ上がり、もはや「足?」という状態…
「捻挫って思ったよりも酷い症状がでるのね〜」
翌日、自転車で病院に行き、見事「骨折判定」を頂きました。
あぁ「パキン」という音は折れた音だったんですね。痛みで歩けなくなる、というのは「骨折の部位にもよる」んですね、そうですよねぇ先生。確かに痛いとは思っていたんですが、泣くほど痛くはなかったんですよ。思い込み…?そうですね、言われてみるとそうかもしれませんね、先生…歩いたのが拙かった?そうでしょうね、でも歩けたものですから、先生…(病院での言い訳集)
その場でギプスを巻かれ、松葉杖生活に突入しました。季節は夏。ギプスがとれたのは秋口に入ってからのこと。
自分をも騙す思い込み。
決して鈍感なわけでは無い、はずなのです…
そのうかつさを偉そうな態度と自分をも騙す思い込みで隠し通して生きています。
かつて「厚底」な靴が流行っていた時期がありましたよね。ハイヒールとは違い、踵だけでなく爪先の方まで高さのある形状の靴です。
厚底って私の好みから言えば全く触手が動かないものだったんですが、その年の夏先に見掛けたストラップ付きのサンダルには何故か一目惚れ。
さすがに10?の厚みはないのですが、5?くらいの厚さはありました。ヒールのある靴そのものを履かない私にとっては未知な履き物…それが悲劇を生んだのです。
とある日曜の昼下がり、デートのためにサンダルを履き、家を出た3分後。
横断歩道上で何故かクラクションを鳴らされた私は小走りになりました。慣れない靴、「青じゃん」という憤り…そして私はこけました。
「パキン」という音と感覚が足の方から伝わってきます。とりあえず路上でこけた恥ずかしさを隠すため、何事もなく歩き始めるしかなかった私。しかし「パキン」が気になって仕方なく恐る恐る足下をみつめました。
「…何ともなってないね」
外見は異常なし。
「少しは痛いけど…」
そして私の脳裏に父親の台詞が浮かんできました。
***
世の中の「しなくていい経験」の半分くらいしているかと思われる私の父。日頃はこの父が嫌いな私なのですが、我が身にピンチが訪れるとやはり彼を思い出してしまいます。
幼き日、父に遊ばれて怪我をした私は「骨折した!そうに違いない!」と彼を罵倒しておりました。
父は睨み付ける母の横で涼しい顔をしていました。
「いいか?骨折をすると激痛のあまり歩けなくなるんだよ。お前は歩けるだろう?歩ける以上は骨折してないんだ。…そんなことも知らないのか?」
「知ってるわよっ!」(負けず嫌い…)
***
骨折すると痛みで歩けなくなる。ということは。
「痛いけど歩けるから…きっと捻挫ね♪」
そう思った私は足下を見るのをやめました。日頃20分で行き着く道のりを50分かけて歩かなければならないほどの痛みに襲われながら「でも歩けるし」という思いだけで前向きになる私。
そしてデート中も「捻挫したみたいなの」と言うことであまり動かなくて済む内容に終始して貰いました。
ようやく痛みが尋常ではないかも、と思ったのは夕方のことでした。笑っても痛い。呼吸しても痛い。
「ごめん、足が痛いからもう帰るわ」
夕御飯を一緒に食べることなく痛みに敗北する私。
家に帰り着いてまじまじと足を見ると…足首より先が紫色に変色し、象さんのように腫れ上がり、もはや「足?」という状態…
「捻挫って思ったよりも酷い症状がでるのね〜」
翌日、自転車で病院に行き、見事「骨折判定」を頂きました。
あぁ「パキン」という音は折れた音だったんですね。痛みで歩けなくなる、というのは「骨折の部位にもよる」んですね、そうですよねぇ先生。確かに痛いとは思っていたんですが、泣くほど痛くはなかったんですよ。思い込み…?そうですね、言われてみるとそうかもしれませんね、先生…歩いたのが拙かった?そうでしょうね、でも歩けたものですから、先生…(病院での言い訳集)
その場でギプスを巻かれ、松葉杖生活に突入しました。季節は夏。ギプスがとれたのは秋口に入ってからのこと。
自分をも騙す思い込み。
決して鈍感なわけでは無い、はずなのです…
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