10月のゆにぽんは「本を読むぞ」強化月間。私も増えるばかりの「読みたいリスト」を少しでも消化させたい今日この頃です。

岩波文庫なんかにラインナップされているような古典名作にも、読んでみたいものが結構あるんですけど、なかなか手が出せないんですよね。敷居が高いと言いますか、その世界に入り込むのに、すごく気合が必要とされ(苦笑)

そんな時、邪道ではありますけど、文芸モノの映画ってお手軽でいいんですよね。文芸作品ってことで、なんとなく高尚な気分になれますし(笑)仮に内容はイマイチでも、衣装やセットが目の保養になったり。そこに登場するのが好きな役者だと、ほんと眼福♪

ある時、私がレンタルしたその映画も、イギリス文学原作のラブコメでしたが、主演は私の好きな女優、そして、その下にはこれまた大好きな俳優の名が!
それを見た瞬間、これはもう借りるしかないでしょう、と意気揚々とレジへと持っていったのでした。

期待通り、さすがは美男美女、ビクトリア朝な衣装の見目も麗しく、並んでいるだけでもほんとにイイ雰囲気。うっとりとその絵面に堪能していたのですが、物語は急展開。
実は、その彼には秘密の恋人が別にいて、それを隠すためにヒロインを利用していただけだったのでした。

そこまでは展開としても、まぁ珍しくはない話でしょう。
でも、普通、特にこんな恋愛物って、最初に銘打った男女キャストが結ばれ、当て馬的なキャラは、もうちょっと後にクレジットされるのが定石。
この2人が結ばれないというのなら、ああ、この物語って、恋愛成就するという結末じゃないのね……

そう思っていた私でしたが、その後、呆然とするラストが。
そのヒロインは、幼い頃から兄代わりでもある年の離れた男性と結ばれたのです。でもって、その役を演じるのも「ええ!? 本命があの○○でなくて、この俳優?」と、そう思わずにはいられないようなマイナーな役者さんで。←失礼極まりないサホ;
でも、ほんとにその時は、何それ! 何でそうなるの!?――と、裏切られたような気分になり、大層憤慨したものでした(苦笑)

それから1年くらい経った頃でしょうか。
その映画の原作者の別の作品を、これまたドラマ化されたものを偶然TVで見たのです。それにはもう、わたくし、それこそ岩波文庫から出版されていた原作を買いに走るほど、すっごくハメられまして。
なので、ついでに、以前、裏切られたその映画の原作も読んでみることに。

すると、最初から、その兄代わりの彼がずっとヒロインを想っているのがよく分かるのです。で、もう一度、映画の方もレンタルして確認してみたら…ううぅ、情けなくなるほど、私の目は節穴でした…。
ヒロインを見守る誠実な兄代わりの姿の中に、時折彼女への切ない想いが、きちんと画面の中に垣間見えているではありませんか…!

その本命の彼を演じていたのは、舞台メインで活躍なさっている俳優さんらしく、日本での知名度はそう高くない人。一方、最初、本命に見せかけていたキャラを演じたのは、日本でもかなりの人気俳優。
主演女優と私の好きな俳優、日本でなら、その2人の名前を全面に押した方が売れることでしょう。そんな企業戦略に引っかかったばかりに、私は、すっかりその2人が主演なのだと思い込み、初見では物語の核心となるはずの演出に全く気付きもしなかったのです。

まぁ、よく言えば、私はすっかりヒロイン目線で物語を楽しんでいたと、そう言えなくもないのかもしれませんけど、やっぱり、これってただの言い訳ですね;

肩書きだとか、見せかけだけに騙されてはいけない。
それは、人生全般に渡って言えることで、それなりに注意を払っているつもりですが、たとえ単なる趣味の世界のことでも、きちんと物事を見定める目を持たなきゃいけませんね。せっかくの世界を十分に味わえず、損するのは自分ですもの。

もしも、これからご覧になる方がいらっしゃるかもしれないので、この映画の題名は伏せておきますが、ひょっとしたら、ゆにぽんにお越しの皆様の中にもご覧になった方がいらっしゃるかもしれません。これが何の作品かお察しになりましたら、サホの見る目のなさを笑って下さいませ。。。

ちなみに、今では私も、すっかり本命のあの方の紳士たるお姿にメロメロにやられております(笑)

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