遙かデビューしたことで、新年から一層、萌え生活に拍車がかかってますが、実はそれだけではなかったり。ハウルと『西の善き魔女』(荻原規子著・中央公論新社)に甘萌え放浪中なのでした。

ハウルは以前の当番の時にもメロメロ告白をいたしましたが、西魔女は私の中で第2次萌え期を迎えたといえるでしょう。昨年秋に待望の文庫版が刊行されたことから、再びマイブームがやってきたのですが、最初の出合いは一昨年のこと。
その年は、ガンパレ→十二国記→荻原作品…と3大萌えをめぐり、昨年の春先にまたガンパレへと戻ったことで、今ここでの私が存在しているわけですが。
西魔女の前に、やはり荻原さんの“勾玉シリーズ”と呼ばれる3作品が何年も“読みたいリスト”の中に入ったままで、一昨年の晩秋にようやくそのシリーズを図書館で借りて読んだのですが、その時にこの作品の存在も知り、こちらも手に取ったのでした。

内容は乱暴にまとめると、
片田舎の荒野で育った少女が自分の出生の秘密を知ったことで、女王の後継者争いに巻き込まれ、果ては世界の成り立ちにまで関わってしまう、ほんのりSFテイストな欧風ファンタジー作品――といったところでしょうか。
勾玉シリーズが児童書なら、西魔女はライトノベルなのですが、けれども私が手にしたのは、1番最初に刊行された新書版ではなく、その後、出された愛蔵版みたいなハードカバー本。挿絵も、こちらはハウル原作本のイラストも手掛けていらっしゃる方なので、マンガちっくな画風ではなく。なので、装丁は児童書そのものという感じ。
そんな印象でもって読み始めましたので、そのギャップが更に萌え度を上げたような…。勾玉シリーズも萌え度の高い内容でしたが、西魔女は当初の予想を遥かに上回るに萌えツボが…!
ほんっと、メインカップルにめろめろにやられてしまいまして、私の中で指折りの「甘くてなんぼ」な愛しすぎるバカップル(であってほしいという私の願望)と認定されたのでした(笑)

もっとも、そんな萌えポイントはいちいち語らずとも、西魔女からガンパレに舞い戻った辺りに、サホ的萌え傾向の類似点が見られた、ということで。ゆにぽんにお越し下さる皆様なら、きっと予測範囲内のことと思いますので、ここでは敢えて割愛。そうでもしなきゃ終われないでしょうし(笑)

西魔女を読んでいると、キャラだとか設定への乙女な萌えだけではなく、物語の雰囲気に既視感というか、どこか懐かしい匂いを感じるようなところがあったのです。そこがまた私的にポイントが高いというか、感慨深いものがあったのですが、しばらくはその理由が判らなくて、とても不思議だったのです。
何かに似ているにしても、近年、見たり読んだりしたものなら、もっと具体的に思い出せそうですのに、いつも朧げな感覚しかなく…。
で、荻原さんのコメントなどを読んで、ようやく、それが、遠い昔に読んだ作品の残像イメージみたいなものから生じる感覚なのだろうという結論に至ったのでした。

実は私、幼い頃から読書は好きでしたけど、それって文字の少ない絵本限定でして(苦笑)小学校低学年の頃までは、字を読むのが億劫で絵本ばかり選んで読んでいたのですが、ある時、意を決して、ようやく、もう少し文字数もページ数もある本に挑戦したのです。
幸い、それが面白くて、絵本以外も楽しめるようになったのですが、そのきっかけとなった作品が、たまたま海外の児童書だったせいかもしれません。
それからというもの、子供向け海外名作全集、もしくは全集でなくても、やっぱり海外の児童文学を好んで図書室から借りていたのでした。
江戸川乱歩の少年探偵団シリーズにハマっていた時は、目当ての本が貸出中で悔しい思いをしたことも多々でしたが、特に海外名作全集系は、あまり人気もなく借りやすかったりもしましたので(笑)
あと、『耳をすませば』みたく、誰も借りたことのないような本を借りるのが好きだったことも理由に挙げられるでしょう。全集作品を除けば、海外児童文学好きなら押さえていて当然な定番作品は、意外と読む機会が少なかったり。

この『西の善き魔女』という作品は、グリム童話やマザーグースなんかも、ちょこっとエッセンスに加えられているのですが、「西の善き魔女」というのも『オズの魔法使い』を意識なさっていたり、サブタイトルも昔の海外児童文学風に付けられたそうで。例えば「セラフィールドの少女」とか。
言われてみれば、西魔女って、題名やそこに描かれた情景などに、昔読んだ作品に通じるような雰囲気があって、その辺りに、私はどこか懐かしいような気分にさせられていたのでしょう。

ただ残念なことに、小学校の図書室で好んで読んだのが、赤い装丁の全集だったというのは今も記憶に鮮明なのですが、肝心の題名や内容は不明なものばかり。
一体、あの頃の私はどんな本を読んでいたのでしょうか。
辛うじて思い出せるのは『秘密の花園』とか『あしながおじさん』とか、とっても有名な作品だけ。これらは本としてもメジャーですけど、映画やアニメなど別媒体でも触れる機会に恵まれたので忘れずに済んだのでしょうね。
時々、妙に気になって、書店や図書館の児童コーナーで、全集をパラパラ調べたりするのですが、なかなか感動の再会とはいかず…。
今はマイナーな物語でも、仮にも全集に収められるような作品なら、まだネットなんかで検索をかけるのにも見当をつけやすいのですが、全集以外の本は偶然の再会に希望を託すくらいしか、もはや手立てはなさそうです。とはいえ、こんなに曖昧な記憶なので、再会していても気付かない可能性は大なのですが;;;

今やすっかり記憶の闇に埋もれてしまったことに、己の乏しい記憶力への情けなさと、一抹の淋しさを覚えますが、それでも、たとえ、題名も内容も思い出せず、形すら失ったイメージの残骸でしかなくても、そうやって懐かしく思えるような気持ちがある限り、多少なりとも、私の中で糧となって培われていると思いたいところです。いえ、何の役に立つかは不明なのですが、せっかく読んでも何も残ってないというのでは、少々不甲斐ない気がするので(笑)
願わくば、それを自分のネタにでも還元出来れば最良なのかもしれませんが、そこまでの力量はもちろん到底望めるべくもなく……(遠い目)

話が逸れつつありますが、そんなこんなで、西魔女という作品は、私にとって、どこかノスタルジックな感覚もかき立てられる物語なのですが、そんな、ごく私的な感覚を抜きにしても、この物語の外伝の内容は、主人公たちのもう戻れない幼き日々の優しい思い出、みたいなものでして。
それがまた私を追憶の彼方へと向かわせるのでした。昔読んだ作品を懐かしむうちに、自分自身の幼かった日々に思いをめぐらすような、そんな感じ。
本編とは少し趣を異にした、それこそ児童書っぽい印象の仕上がりですが、ほのぼのしつつも少し切な系な情感も漂う、とても好きなお話なのでした。

…と、まぁ、そんなもっともらしい理由もありますけど、何といっても激しく萌え悶える作品! 今後、目指すべき甘萌え技能獲得のための教材としても、とっても重宝しています(笑)

それにしても、レビューなんて大層なものではなく、あくまでサホ的西魔女語りをするつもりでしたが、何だか私の読書歴でも紐解くみたいな、とりとめない内容となってますね(苦笑)

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