あいつは99%クロさ。
そして残り1%がシロってわけじゃあない。
それはただの「誤差」ってやつだ。

これは口語体に変えておりますが。
この文章をとても真面目な記事の中で見たときは、思わず「すごいなぁ」と唸ってしまいましたよ。
一つは言い回しが巧みだと思ったことに。
そしてもう一つは物事を断罪しきっていることに。

結論を決めつけて物事を判断すること。
これにはスピード、説得力、矛盾のない理論展開、というメリットがある一方で。
反面、この結論が間違っていたときの大ダメージ、他者の意見を認めない狭量な姿勢、というデメリットもある。
だからたいていはグレーゾーンに身を置いて、保身をはかるのが何となく望ましい態度といえますね。
もしくは本当に賢い人たちは色んな意見を聞いて、自分の中で再構築出来るまで熟成させて議論を待ちます。
ただ、このニュートラルな態度というのは、熟考するのが苦手な私自身はあまり好きではないというのが困りもの。
別に論客を目指しているわけではないけれど、他人と議論をするときにはやはり「私の意見を受け入れろよ」という気持ちが先立ってしまいます。
そこで欲しいのが説得力だったりするわけで、私の語り口には「決めつけ」というキーワードが欠かせません。
この態度が誰かを傷付けてしまうと知っていても、この態度が他者を誤解させてしまうと分かっていても、簡単に改善出来るものではないです。

議論に勝つという目先のことに捕らわれることの愚かさを教えてくれる人がいて、その人のおかげで今の私は「痛い人レベル5」を「痛い人レベル3」くらいの存在でいられるわけですが、油断をすると本来の熟考出来ない自分が出てきてしまう。

そして、冒頭のような文章を見ると、思わず拍手喝采したくなる自分がいるわけで。
たとえその記事の内容が間違いであっても、小気味いい言い回しに感動しちゃう自分がいるわけで。

こういう態度を「衆愚」というのかなぁと何となく思った今日の夜。

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