菜の花に吼えろ? 担当:もぞ
2005年3月16日今を遡ること多分5年くらい前――曖昧ですみませんな――私とぬりかべは「いぶすき菜の花マラソン大会」に出場するという後輩の応援の為、その他3名を連れて会場にやってきた。
このマラソン大会は1月第2週目の日曜日に開催されるもので、あたり一面の菜の花畑と路上で食べ物や飲み物を振る舞いながら応援してくれる地元市民の皆さまの温かさが売りの素敵なイベントである。
制限時間はあるものの、基本的には何時間かかっても大丈夫。
ゆえにとても敷居の低い大会で、参加者もコスプレ系の人が相当数いて、見た目にも面白い。
無茶が大好きな学生にとって、これほど心くすぐられるイベントはないだろう。
私が所属していたサークルでも男性3名が(ほぼ強制)参加。
3人のうち2人が「どう考えても完走は出来んだろうよ」という貧弱な体質の持ち主で、要は私たちは彼らの収容の為に会場に来たも同然であった。
「残り2人は絶対リタイアするから、ゴールで待ってようか」
応援に来た人間とは思えないセリフを吐きながら、ゴール近くの路上に立っていると「完走するだろう」という下馬評高い後輩が走ってきた。
「おーい、あいつらは?」
「完走すると約束しました。後ろから走るなり歩くなりしていると思いますっ」
「…そうなの?」
そしてその会話からおよそ2時間後、満身創痍の状態で目もうつろな男2人が本当に自力でゴール。
へたれだ、根性無しだ、虚弱体質だ、と先輩たちから罵倒され続けた2人が完走という偉業をやってのけちゃったんであります。
「凄いじゃない!」
「「………(喋れない)」」
「見直したわ、この経験はきっとネタになるわね」
「「………」」
一刻も早く帰りたがっている3人を温泉に連れて行き、遠慮する3人を車に詰め込み(彼らは電車で現地にやってきた)食事をとらせ、そして家まで送ってあげて、その日は解散と相成った。
確かにこの経験は罵倒される人生を送ってきた少年にとってはとても吉となるものだったようで、今現在の彼はとっても素敵な人間に大成長。彼を馬鹿にしていた私の同窓生や先輩たちに見せてあげたいくらいの男前へと変貌を遂げた。
一皮むけたというか、開き直ったというか。
それはともかく。
その時の私は、まさか1年後に同じ舞台で42.195キロを走るはめになろうとは考えてもみなかった。
もちろんそういうことになっちゃったのは「ぬりかべ」が原因だったりするわけですよ…
このマラソン大会は1月第2週目の日曜日に開催されるもので、あたり一面の菜の花畑と路上で食べ物や飲み物を振る舞いながら応援してくれる地元市民の皆さまの温かさが売りの素敵なイベントである。
制限時間はあるものの、基本的には何時間かかっても大丈夫。
ゆえにとても敷居の低い大会で、参加者もコスプレ系の人が相当数いて、見た目にも面白い。
無茶が大好きな学生にとって、これほど心くすぐられるイベントはないだろう。
私が所属していたサークルでも男性3名が(ほぼ強制)参加。
3人のうち2人が「どう考えても完走は出来んだろうよ」という貧弱な体質の持ち主で、要は私たちは彼らの収容の為に会場に来たも同然であった。
「残り2人は絶対リタイアするから、ゴールで待ってようか」
応援に来た人間とは思えないセリフを吐きながら、ゴール近くの路上に立っていると「完走するだろう」という下馬評高い後輩が走ってきた。
「おーい、あいつらは?」
「完走すると約束しました。後ろから走るなり歩くなりしていると思いますっ」
「…そうなの?」
そしてその会話からおよそ2時間後、満身創痍の状態で目もうつろな男2人が本当に自力でゴール。
へたれだ、根性無しだ、虚弱体質だ、と先輩たちから罵倒され続けた2人が完走という偉業をやってのけちゃったんであります。
「凄いじゃない!」
「「………(喋れない)」」
「見直したわ、この経験はきっとネタになるわね」
「「………」」
一刻も早く帰りたがっている3人を温泉に連れて行き、遠慮する3人を車に詰め込み(彼らは電車で現地にやってきた)食事をとらせ、そして家まで送ってあげて、その日は解散と相成った。
確かにこの経験は罵倒される人生を送ってきた少年にとってはとても吉となるものだったようで、今現在の彼はとっても素敵な人間に大成長。彼を馬鹿にしていた私の同窓生や先輩たちに見せてあげたいくらいの男前へと変貌を遂げた。
一皮むけたというか、開き直ったというか。
それはともかく。
その時の私は、まさか1年後に同じ舞台で42.195キロを走るはめになろうとは考えてもみなかった。
もちろんそういうことになっちゃったのは「ぬりかべ」が原因だったりするわけですよ…
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