ぬりかべ文章メモ1「文章のリズム」 担当:ぬりかべ
2005年4月30日 文章のリズム
文章のリズムについて。
読み始めはムムムと思うかも知れないけど、ちょっとぬりかべにお付き合い下さい♪
(以下、宮城谷昌光著 文藝春秋刊三国志三巻より抜粋。一部難解な文字を修正)
――
「よくない…」と、孫堅はつぶやいた。
玉璽を意識するたびに心のすみに重さを感じる。
そのいやな重さをとりのぞくためには、玉璽を献帝に返上するのがよい。
それが天意にかなうのであれば、いますぐにでも使者をたてて長安にむかわせるであろう。
しかしながら、「その玉璽は、なんじがもて」と、天に命じられたのに、玉璽を手放せば、天罰に逢う。
――
他の人はいざ知らず、ぬりかべにとっては読みやすい文章です。
なんで読みやすいのかを調べてみると一つのことが分かります♪
第一文 「よくない…」 17音。
第二文 「玉璽を…」 30音。
第三文 「そのいやな…」 42音。
第四文 「それが天意に…」45音。
第五文 「しかし…」 53音。
要するに文章が少しずつ増えていっていますね。
少しずつ増えることで、文章のリズムをつくっているんだと思います。
ちなみに、順調に増えていっているところに、短文を挟むと切れ味が増します。試しに…
――
「よくない…」と、孫堅はつぶやいた。
玉璽を意識するたびに心のすみに重さを感じる。
そのいやな重さをとりのぞくためには、玉璽を献帝に返上するのがよい。
それが天意にかなうのであれば、いますぐにでも使者をたてて長安にむかわせるであろう。
しかしながら、「その玉璽は、なんじがもて」と、天に命じられたのに、玉璽を手放せば、天罰に逢う。
それが怖い。
――
ということで、読む人はリズムを殺されるので、自然、挟み込まれた短文の「それが怖い」に意識が集中します。なんだなんだと興味が起きますので、後に続く文章に引きつけられていくでしょう。
だから、そこに萌え言葉でも置こうものなら効果倍増ということになります。試しに、
――
「よくない…」と、孫堅はつぶやいた。
玉璽を意識するたびに心のすみに重さを感じる。
そのいやな重さをとりのぞくためには、玉璽を献帝に返上するのがよい。
それが天意にかなうのであれば、いますぐにでも使者をたてて長安にむかわせるであろう。
しかしながら、「その玉璽は、なんじがもて」と、天に命じられたのに、玉璽を手放せば、天罰に逢う。
「月に代わってお仕置きよ!」
それが怖い。
――
ああ〜ぐっときますね。ニラとモゾからは、それは萌え言葉ではあるかもしれないがいかんせん古すぎるとの苦情。だってアスランの萌え言葉分からなかったし。
ちなみに文章の抜粋は宮城谷先生ですが、ぬりかべが読む中でこのテクニックを効果的に多用されるのは、村上春樹先生だと思います。読んでいて「うぉ」と思わされるときには、必ずこのテクニックが使用されています。それでは。
文章のリズムについて。
読み始めはムムムと思うかも知れないけど、ちょっとぬりかべにお付き合い下さい♪
(以下、宮城谷昌光著 文藝春秋刊三国志三巻より抜粋。一部難解な文字を修正)
――
「よくない…」と、孫堅はつぶやいた。
玉璽を意識するたびに心のすみに重さを感じる。
そのいやな重さをとりのぞくためには、玉璽を献帝に返上するのがよい。
それが天意にかなうのであれば、いますぐにでも使者をたてて長安にむかわせるであろう。
しかしながら、「その玉璽は、なんじがもて」と、天に命じられたのに、玉璽を手放せば、天罰に逢う。
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他の人はいざ知らず、ぬりかべにとっては読みやすい文章です。
なんで読みやすいのかを調べてみると一つのことが分かります♪
第一文 「よくない…」 17音。
第二文 「玉璽を…」 30音。
第三文 「そのいやな…」 42音。
第四文 「それが天意に…」45音。
第五文 「しかし…」 53音。
要するに文章が少しずつ増えていっていますね。
少しずつ増えることで、文章のリズムをつくっているんだと思います。
ちなみに、順調に増えていっているところに、短文を挟むと切れ味が増します。試しに…
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「よくない…」と、孫堅はつぶやいた。
玉璽を意識するたびに心のすみに重さを感じる。
そのいやな重さをとりのぞくためには、玉璽を献帝に返上するのがよい。
それが天意にかなうのであれば、いますぐにでも使者をたてて長安にむかわせるであろう。
しかしながら、「その玉璽は、なんじがもて」と、天に命じられたのに、玉璽を手放せば、天罰に逢う。
それが怖い。
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ということで、読む人はリズムを殺されるので、自然、挟み込まれた短文の「それが怖い」に意識が集中します。なんだなんだと興味が起きますので、後に続く文章に引きつけられていくでしょう。
だから、そこに萌え言葉でも置こうものなら効果倍増ということになります。試しに、
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「よくない…」と、孫堅はつぶやいた。
玉璽を意識するたびに心のすみに重さを感じる。
そのいやな重さをとりのぞくためには、玉璽を献帝に返上するのがよい。
それが天意にかなうのであれば、いますぐにでも使者をたてて長安にむかわせるであろう。
しかしながら、「その玉璽は、なんじがもて」と、天に命じられたのに、玉璽を手放せば、天罰に逢う。
「月に代わってお仕置きよ!」
それが怖い。
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ああ〜ぐっときますね。ニラとモゾからは、それは萌え言葉ではあるかもしれないがいかんせん古すぎるとの苦情。だってアスランの萌え言葉分からなかったし。
ちなみに文章の抜粋は宮城谷先生ですが、ぬりかべが読む中でこのテクニックを効果的に多用されるのは、村上春樹先生だと思います。読んでいて「うぉ」と思わされるときには、必ずこのテクニックが使用されています。それでは。
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