それは未完の名作少女マンガ『王家の紋章』(細川 智栄子他著・秋田書店)のヒーローの御名。

ご存知ない方のために大雑把にストーリーをまとめると、
ファラオへの生贄にすべく、呪いをかけられ、古代エジプトに連れてこられた考古学専攻中の大富豪令嬢キャロル。
現代人の知恵と、古代エジプトでは珍しい金髪の白人という容姿を持つことから、彼女は「ナイルの娘」と崇められるようになり、やがて、そのファラオ、メンフィスと恋に落ちるものの、弟・メンフィスに恋焦がれるアイシス(キャロルに呪いをかけた張本人)に命を狙われたり、ヒッタイト国のイズミル王子をはじめ、「ナイルの娘」に想いを寄せる各国要人たちに、ことあるごとに誘拐されたり(笑)
恋と覇権の争いに巻き込まれ、その都度、助けてもらえるのですが、そうすると今度はナイル川から現代に流されてしまうという。
現代に戻ると古代での記憶が思い出せず悶々とする日々ながら、決まって、またナイルの川が彼女を過去へと戻してくれるのです。で、そこで、また記憶を取り戻し、愛しのメンフィスと再会するも、また攫われて離れ離れ、救い出されても現代へ流され――
と、原作が手元にないのであれですけど、まぁ、そのお約束パターンと言って差し支えないかと。

さてさて。私が初めてこの作品の存在を知ったのは、あれはまだ小学校低学年だったような。友人の年の離れたお姉さんが所有されていたのを目にしたのが最初の出合いでした。あの濃い絵柄のインパクトは相当のものでしたが、当時の私の食指が動かされることもなく、そのまま時は流れ、中学生になった私。
中耳炎を患い、耳鼻科通いしていたのですが、その時、待合室で発見したのが『王家の紋章』の第6巻。すんごく暇だったので、少々苦手意識はあったものの、退屈しのぎに手にとってみたのですね。それも、そんな中途半端な巻を(苦笑)その巻しかなかったので仕方なく。

ページをめくり始めて、それはすぐにでした。こ、これは――っ!!
初めて読むのがそんな途中の巻なので、当然、人間関係はよく分からないのですが、ライオン狩りの命懸けの展開の中でキャロルとメンフィスの愛が深まるというような、とっても“動”な展開部分だったので、思いの他、ぐいぐいと作品世界に引っ張られ、気付けば買い揃えていて(笑)

今と違って、当時は私の周りもマンガ好きは多かったですけど、やはり、あの絵柄にちょっと…となっている子ばかりでしたが、見事王家ブームを巻き起こすことに成功。読んでみると、あの濃いお約束世界はなかなかやみつきになるんですよねぇ。
そうして、いろんな子に布教出来たのは良かったのですが、今現在、その『王家の紋章』は、進路が分かれて、なかなか会えない友人の元にてハンパなく長い年月、保管されてるのでした。なので、その子との年賀状のやり取りは、お互い毎年決まって「今年こそはメンフィス様を」という書き添えが(苦笑)

そんなこんなで、続きを買おうにも、どこまで持っていたかも既に思い出せないくらい長らく読んでなくて(苦笑)内容自体も記憶がだいぶ曖昧になってきているのですが、タイ土産だったでしょうか。外国で出版された『王家』単行本を友人に見せてもらって、懐かしさとともに、ふと、『王家』でガンパレパロが出来ないかなぁと考えたことがあったのでした。

キャスティングは、
キャロル…一見、可愛いだけで何も出来なさそうながら、実は物事の真実を知っているののみ。
メンフィス…プライド高い茜。その性格といい、自慢のおみ足もあの古代エジプト衣装に、とっても映えそう!(笑)
となると、アイシスは自動的に森…? アイシスほど危ない盲目的ブラコン姉ではなさそうですけど。

と、ここまではすんなり決まりましたが、他がどう考えても埋まらず…。
例えば、メンフィス最大のライバル、イズミル王子。
ののみとくれば、思い浮かぶのは瀬戸口。でも、瀬戸壬生スキーな私には、壬生屋以外の女を攫うなんて当然却下なわけで。恋愛ではなく“娘”救出作戦なら許せるのですが(笑)
それなら、いっそ、舞がイズミル王子の方が美味しいかもしれない。となると、ルカ(イズミルの腹心の部下で、今はスパイとしてキャロルの側近として潜り込み、すっかり信頼されているというキャラ)は速水かなぁ…。あ、どうでもいいですけど、サホは結構ルカ贔屓。

などなど、ぼんやり考えましたけど、「がらかめ劇場」ほどにはしっくりこないので、そこで終了。
それにしても、「がらかめ劇場」もそうですけど、ガンパレでパロ妄想広げようと思うと、いつも不思議と名作少女マンガばかりが思い浮かぶ私。一体何故…?

それはともかく、『天は赤い河のほとり』(篠原千絵著・小学館)は完結しましたけど、『王家』はどんなラストを迎えるのか…。ただいま49巻まで刊行されているようですが、王道パターンはやはり健在なのでしょうか。ほんと、そろそろ「メンフィス様」をお迎えに行かねば…。

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