一口出来事:ニラに質問した。
         「ガンダムをドラえもんに例えて言えば、
          アスラン=ザラは、登場人物のどれにあたる?」
         ニラは熟考してから答えた。
         「かろうじて、ジャイアン」
         みなさん、ジャイアンだそうです。



            賢者は歴史から学ぶ

 面白いサイトを見つけた。

 「賢者のラスベガス」
 http://www.e-town21.com/lasvegas/index.htm

 ラスベガス旅行を無料に近づけようという趣旨のサイト。要するにポイントやキャッシュバックが用意されているカジノで、なるべく持ち金が減らないように勝負を重ねれば、勝負には勝たなくてもポイントが貯まり、おのずと旅費が安くなっていく、というもの。
 しかし、実行に移すには、ささやかながら英会話が出来なければならないし、システムやゲームのルールを熟知する必要がある。

 しかし、その一つ一つが困難かと言うとそんなことはない。
 高度な英会話は必要ないし、ゲームのルールは楽しみながら覚えられる。言ってしまえば、実は簡単なことだ。
 しかし、その簡単なことが積み重なってくると、途端に難易度が高いように思えてくる。手が出せなくなってくる。
 そして、そのことはラスベガス旅行に限らない。

 僕らの世界には多様なルールがあらかじめ決められている。その一つ一つは理解することも解決していくことも容易なことばかりだ。だが、それらが複雑に絡み合い相互に干渉しあうと、僕らは手出しが出来ないように思えてしまう。腰が引けてしまい、手が出せなくなってくる。
 その結果、しなければならないことをしなかったり、してはいけないことをしてしまって、ルール違反を行いペナルティを受けることになる。自業自得だが痛い目を見ることになるのだ。しかし、そうやって僕らは成長していく。いろいろなルールを覚えて大人になっていく。

 しかし、ここで古人の言葉を引用する。
 古人は言う。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

 ここでいう歴史とは他人の経験から学ぶということも含む。僕らは痛い目に遭うまでは、ごく簡単なルール違反にさえ気付かない。でもそうやって自分だけの経験に学ぶことは危険なことだと古人はいうのだ。出来れば、苦労して時間をかけて学んでおけ先に知っておけ、と言うわけだ。

 それで、ここで面白いことに、歴史から学ぶということは、実は現代の世界ではそちらの方がオリジナリティに富んでいる。経験に学ぶと言うことは、同じ時代、同じ境遇に生きていれば同じような経験をするわけで、オリジナルを主張できるようなものではない。結局、オリジナリティは、他人がしないような特異な経験なしでは得られないということになるのだ。しかし、歴史から学ぶということは、他人の経験であれば数十億人、過去の記録からはそれこそ数千年である。質及び量ともに経験とは桁が違う。たかだか二十年程度の経験では得られないものが、歴史からは得られる。

 ――というような話を、有り難くもニラとモゾにしてやった。
 ニラとモゾの反応。
「具体的にどうすればいいの?」
「本を読んで、人の(ぬりかべの)話を真摯に聞けばいいんだ」
「へー」
 ニラとモゾは、人の話をそっちのけに、こいこいセブンを見始めた。
「面白いねー」

 古人よ。愚者がここに二名います。

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