忍 担当:サホ

2005年9月9日
※多少ネタバレ含みますのでご注意下さいませ!

数ヶ月前、映画館にて仲間由紀恵さん&オダギリジョーさんの立て看にふと目を留める私。
「殺し合う宿命」とかそんな感じのキャッチに『忍―SHINOBI―』のタイトルからしても、内容は忍者モノなのでしょう。
この2人が主演、しかも忍者モノならちょっと見てみたいかも〜。
それにしても忍者モノって、やっぱり、こういうの多いのかな〜。
と、その時、漠然と思った私。
それから、しばらく経って、この映画チラシをGET。やっぱり忍者モノで、どうやらロミジュリ的展開らしいというのは分かったのですが、その時はあまりしっかり読んでなくて、後日、バージョン違いのチラシを貰い、ようやく気付いたのです。この映画の原作が『甲賀忍法帖』(山田風太郎著・講談社)だと。道理で! 忍者世界だから似た設定というのではなかったのね。

『甲賀忍法帖』は未読なのですが、去年の夏頃、これをコミックス化した『バジリスク』(せがわまさき著・講談社)にかなりやられていたのです。で、今年春からスタートしたバジリスクアニメも、最初はその裏番組が見たかったのですが、キレイな映像と声(笑)に負け、結局、チェックすることに。

『バジリスク』を簡単にまとめると、今は停戦中ながら、400年の宿怨のある伊賀忍者と甲賀忍者。伊賀の頭領の孫娘・朧は、基本的忍術はロクに使えないけれど、他人の術を無効化する不思議な眼力を持っていて、対する甲賀の頭領の孫・弦之介は自分に向けられた殺意を相手にそのままはね返してしまうという眼力の持ち主。
そんな二人が見合いし、ある意味、周囲の期待を裏切り、順調に愛を育み、両者の和睦を自分たちで実現させようと願う中、江戸ではお世継ぎ争いが勃発。事態を収拾すべく、大御所・家康は、伊賀と甲賀、それぞれ選出した十名で死闘させ、伊賀が生き残れば竹千代、甲賀が生き残れば国千代を三代将軍に据えようと目論む。
こうして、朧と弦之介は、自分たちの想いをよそに、互いに殺し合わねばならない運命に巻き込まれて――といった内容。

こうして、主人公二人はロミジュリ状態になってしまうのですが、死闘というハードな展開の中、それぞれの交錯する想いが物語に更なる切なさを添えてくれるのです。

筑摩小四郎…朧と共に育った伊賀の重鎮的存在・薬師寺天膳の子飼い。密かに朧へ報われぬ恋心を抱いている。天膳の命で、弦之介に挑むも、朧に邪魔をされ、その結果、失明することに…。
朱絹…朧の世話係。甲賀憎しの立場ながらも、弦之介へのひたむきな想いを知っているだけに朧には同情的。負傷し、術も使えず失意のどん底にいる年下の小四郎を気にかけているうちに、彼に惹かれ始める。
陽炎…弦之介を想っているものの、睦んだ相手を殺せる体質の持ち主なので、決して彼と結ばれるわけにはいかず、伊賀、そして朧への憎悪を募らせる甲賀のくの一。
あと、伊賀サイドの、ちょっと俺様系な青年・夜叉丸と、怒るとコワイけど基本的には可憐な娘・蛍火の微笑ましいCPや、甲賀サイドでは如月左衛門・お胡夷の兄妹愛も実にツボ。
朧の祖母、弦之介の祖父である、伊賀、甲賀のそれぞれの頭領も、実は結ばれることのなかった恋人同士で、互いに殺し合ってようやく一緒になれる…というのも、切なかった。。。

お気づきになられたかもしれませんが、私の一番萌えは小四郎。特に失明前後からがもう憐れすぎて(笑)
身分違いの秘めた片想いというのも切ないですけど、最愛の姫様のせいで失明し、そんな見えない状況下で、直属の主である天膳が朧に「女房になりなされ」と迫るのが聞こえ…。その時の葛藤たるや、切ない犬人生極まれり!って感じ(笑)アニメのこの場面は、天膳役の速水奨さんの熱演がこれまたもう(笑)

――話が逸れてきました。
そんなわけで、再びバジ熱が高い今日この頃なので、映画『忍』の方も、もともと主演二人のファンですし、こちらもチェックせねばなるまいと思っていたのです。
が、先日、その『忍』の公式サイトを訪れてみて、激しい衝撃に見舞われることに。
戦う人数が五人ずつに減らされるらしいというのは既に小耳に挟んでいて、入手したチラシのあらすじ見てても、朧と弦之介の出逢いとか違うみたいだなぁと思ってましたけど、かーなーりーオリジナル展開? 少なくともバジリスクとは全然違う模様。

バジリスクがどれほど原作に忠実なのか不明ですが、伊賀と甲賀、それぞれの構成メンバーは小説に準じてあるのです。けれど、映画は、サホ一番萌えの小四郎が、朧様ではなく、弦之介様の幼馴染という設定! な、なぜにっ!?
原作の小四郎が姫様に隠れラブだかどうかも分からないですけど、姫様のせいで失明するくらい下僕属性な小四郎が好きなのです。それが映画版小四郎は、幼き頃、弦之介と伊賀の隠れ里に忍び込み、そこで鉢合わせした朧に刃物突き付けるのですよ…!(公式サイト内のシークレットストーリーより)
ここでの設定は敵なので、それも自然ですけど、でもでも、やっぱり、それは私の好きな小四郎じゃない〜(号泣)

で、ショックなのはそれだけに止まらず。
半分に人員整理されているわけですが、絶対大丈夫だろうと思っていた朱絹、お胡夷が削除されていたのです! 何たること!!!
まぁ、冷静に考えると、バジリスクの朱絹は上半身裸になり身体から霧状の猛毒の血を撒くという攻撃方法でしたし、お胡夷は相手と素肌を密着させ血を吸うというもの。原作の二人もそんな術使いだとしたら、その辺、映像化するのは、いろいろ難しかったのかもしれませんが(苦笑)
他にも、夜叉丸と蛍火に甘い関係など皆無っぽそうだったり、妹のいない兄さま・左衛門も悲しすぎ。というか、ぶっちゃけ、左衛門さんは見た瞬間、笑いが止まらず。
左衛門は変幻自在に姿を操る術の使い手なのですが、映画では、その能力をより特化させるためなのでしょう。普段は“仮面の男”。仮面キャラといえば、私の最も弱いと萌えツボのひとつですが、ここでの仮面が石製だったせいか、はにわ顔にしか見えない! 南の楽園ではにわと戯れた記憶が甦りましたよ(笑)
毛攻撃仕掛けていた蓑念鬼という髭(鼻毛?)オヤジキャラも、映画では青年(?)になっていて、しかも普通に武器攻撃キャラのようで、これもちょっと無念。

…と、不満ばかり挙げ連ねていますが、『忍』のPVの主役二人は素敵でしたし、二人の出逢いはよりドラマチック設定になっているみたいですしね。例の朧に刀を突き付ける小四郎には愕然としましたけど、ここでの弦之介様は格好良い少年なんですよね♪椎名桔平さん扮する天膳も大変気になるところですし。何故、あんなにもコスちっくなの?とか(笑)
バジとは別物として、レディースデーにでも観に行こっかなぁ…。今月17日封切なのかー。…と、なると、最初のレディースデーは…ああっ! ズレなければ、その日は十六夜記に萌え眩んでいるはず…!ダメだ、それはいけない…っ。
こうして、早くも『忍』DVDが待ち遠しくなるのでした。

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