そう言ったのはアインシュタイン。
 かの天才物理学者が言うには、人類が生み出した最も偉大な数学的発見とは、それすなわち「複利」である、と。
 「複利」とは、借金が雪だるま式に増えるって言う、要するにあれのこと。
 それが何で偉大な数学的発見になるのかと言うと――
 とりあえず、ニラに「複利」を計算させてみた。

 <100万ずつ貯金して、それを年利20%で20年間運用した場合>

 エクセルでちゃかちゃかと計算式を作っていくニラ。
 20年後にはいくらになってる?と聞くと、さすがはニラのこと。
 「2000万円!」
 ――;; 悪いがそんなわけがない。

 アニメの一休さんでも複利の驚くべき効用を扱った話があった。
 将軍様が褒美をとらす何でも言えと言ったとき、一休さんは浪費癖のある将軍様をいさめたいと思い、米を1粒だけ下さいとお願いした。今日は米1粒、明日には米を2粒、その翌日には米を4粒、そんな調子で一か月続けて下さい、と一休さんは将軍様にお願いしたのだ。将軍様は笑ってこれを承諾。
 ――果たして、どうなったか?
 結論を述べると、1粒、2粒、4粒と増えていった米粒は最終日には、なんと10億粒にもなってしまう。重さにして約21t、米俵にして350俵。一か月を全てカウントすると700俵近い量になり、将軍様にもきっといい薬になったはずだ。

 このように雪だるま式というか、「複利」というのは最も偉大な数学的発見と言うにふさわしい効果があるが、僕らは単に気付いていない。休むことを知らず育っていく力は、本当に当たり前のことだが凄まじい力に成長する。生まれながらの天才などいない、千年前から大金持ちもほとんどいない。ただ積み上げていけばいい。当たり前のことなのだ。しかし、その当たり前のことができなくて、僕らは腹を立てている。

PS:ちなみに、複利を計算するのに「72の法則」と言うのがある。これは何年で倍になるかを計算するのに便利な法則で、

 例えば――
 金利が1%だと… 72÷1=72 倍になるのに72年かかる。
 金利が2%だと… 72÷2=36 倍になるのに36年かかる。
 金利が4%だと… 72÷4=18 倍になるのに18年かかる。

 <100万を貯金して、それを年利20%で運用した場合>
 を計算すると
 金利が20%なので… 72÷20=3.6年 倍になるのに3.6年
 ということになり、
 結論、100万円が20年で2億円近い金額になる。

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