無能と呼ばれた人 担当:もぞ
2006年7月8日仕事をしていると上司との関係とやらに悩むことが多々あります。日頃から、どの上司ともあまり良好な関係が築けない私ですら、思っているよりも低い評定を頂いたりすると凹んだりするわけですから、上手く立ち回っているつもりの人間が「無能」だと上司から言われた時のショックたるや想像に難くありません。
つい先日、その場面に出会しまして、わたくし。思わず「見る目無いな」と呟いちゃいましたよ…あ、見る目無いのは上司ですよ。
「無能」と呼ばれたAさん。この方は、私の属する部署では誰もが認める有能な人物です。何が有能かと言えば、事務処理から顧客対応まで迅速にそつなくこなすスーパー・アルバイター。直属の上司Xらからは大変に可愛がられ、非常勤の立場ながら大変な発言力を持っていました、私の属する部署においてのみですが。
私もAさんの仕事に関しては何ら不安に思うこともなく、だからこそ結構な暴言に対しても片目を瞑っておりました。何しろ暴言は吐くもののプライドが高いのか、与えられた仕事に関して「出来ません」と言わない。よく観察していると「私がやります」と言ってる場面があまりにも多く、何というか、仕事押しつける相手としても最適だったりしたわけです。
とにかく色々な仕事を抱えるものだから、なかなか定時に帰ることが出来ず、結構な時間、残業をしていました。非常勤の労働時間の管理は、当然、直属の上司Xらが仕切らねばならないのですが、使い勝手が良すぎたのかXら自身が更に仕事を押しつける始末。これでますますAさんは可愛がられるわけです。
さて。
上司Xらには更なる上司Zがおりました。
このZ、大変仕事に厳しい方で、部下に頼りすぎるXらのことが大嫌いでした。もう、露骨なくらい。私が出会しただけでも「お前、辞表届を書いて毎日持ち歩いてろ」「降格願いを今ここで書け」と労働基準監督署も真っ青な発言をXらに投げつけておりました。
しかしXらとて、伊達に管理職してません。暴言を吐く上司に対しての対処法(主に、言い訳、聞こえないふり、など)も確立されておりまして、Zのフラストレーションは溜まる一方。
そこでZが目を付けたのが、くだんのAさんだったわけです。
まず、非常勤にしては残業があまりに多いと言うことで、Zの執務室に呼び出しをくらいました。Aさんにしてみれば、皆が仕事できないから手伝ってあげているのに怒られる、という理不尽な構図。「だったら仕事が公平に分配されるよう、私の上司に言ってください」と直訴したものの、Aさん本人の心構えがよろしくないという論点は変わらなかったそうです。
Aさんにとって不幸だったのは、日頃の暴言――と言っても大したレベルじゃないですが――が、Xらには「自己主張がはっきり出来る」と評価されていたのに、Zには「主張や文句ばかりでうるさい」と思われてしまったことでした。
結局、色々な要因が重なりAさんは職を辞することを上司に伝えることになりました。私の属する部署にとっては大変な痛手であると認識され、Xらはため息の日々。これに対してZは噛み付いた訳です。「あんな無能なヤツを重宝がる理由がわからんな」――あーぁ言っちゃったよ…そしてまだ辞めてないAさんに伝わっちゃったよ…
誰が悪いというわけでもないこの話。
一見すると悪役なのはZなのですが、諸悪の根源はXらなのだろうと思います。
Aさんは非常勤でした。このたびのいわゆるボーナス額だって、私の五分の一しか貰っていません。ですが真面目なAさんは仕事を一生懸命にこなし、それこそ常勤レベルの働きをしていました。それがAさんの自負となり、そして、自分より仕事をしない人間(特に常勤)に対する暴言を生んでしまっていたわけです。実際にとても有能でしたが、Aさんの本来の仕事というのは、目の前の仕事を着実にこなして定時に帰ることに過ぎなかった。いわゆるルーティンワークだけさせておくべき人間に、裁量分野の多い仕事を与えてしまったXらの責任こそが問われるのだろうと思います。
Aさん、この七月一杯で雇用契約が切れます。
今、彼女は資格取得に向けて猛勉強中です。頑張って!
つい先日、その場面に出会しまして、わたくし。思わず「見る目無いな」と呟いちゃいましたよ…あ、見る目無いのは上司ですよ。
「無能」と呼ばれたAさん。この方は、私の属する部署では誰もが認める有能な人物です。何が有能かと言えば、事務処理から顧客対応まで迅速にそつなくこなすスーパー・アルバイター。直属の上司Xらからは大変に可愛がられ、非常勤の立場ながら大変な発言力を持っていました、私の属する部署においてのみですが。
私もAさんの仕事に関しては何ら不安に思うこともなく、だからこそ結構な暴言に対しても片目を瞑っておりました。何しろ暴言は吐くもののプライドが高いのか、与えられた仕事に関して「出来ません」と言わない。よく観察していると「私がやります」と言ってる場面があまりにも多く、何というか、仕事押しつける相手としても最適だったりしたわけです。
とにかく色々な仕事を抱えるものだから、なかなか定時に帰ることが出来ず、結構な時間、残業をしていました。非常勤の労働時間の管理は、当然、直属の上司Xらが仕切らねばならないのですが、使い勝手が良すぎたのかXら自身が更に仕事を押しつける始末。これでますますAさんは可愛がられるわけです。
さて。
上司Xらには更なる上司Zがおりました。
このZ、大変仕事に厳しい方で、部下に頼りすぎるXらのことが大嫌いでした。もう、露骨なくらい。私が出会しただけでも「お前、辞表届を書いて毎日持ち歩いてろ」「降格願いを今ここで書け」と労働基準監督署も真っ青な発言をXらに投げつけておりました。
しかしXらとて、伊達に管理職してません。暴言を吐く上司に対しての対処法(主に、言い訳、聞こえないふり、など)も確立されておりまして、Zのフラストレーションは溜まる一方。
そこでZが目を付けたのが、くだんのAさんだったわけです。
まず、非常勤にしては残業があまりに多いと言うことで、Zの執務室に呼び出しをくらいました。Aさんにしてみれば、皆が仕事できないから手伝ってあげているのに怒られる、という理不尽な構図。「だったら仕事が公平に分配されるよう、私の上司に言ってください」と直訴したものの、Aさん本人の心構えがよろしくないという論点は変わらなかったそうです。
Aさんにとって不幸だったのは、日頃の暴言――と言っても大したレベルじゃないですが――が、Xらには「自己主張がはっきり出来る」と評価されていたのに、Zには「主張や文句ばかりでうるさい」と思われてしまったことでした。
結局、色々な要因が重なりAさんは職を辞することを上司に伝えることになりました。私の属する部署にとっては大変な痛手であると認識され、Xらはため息の日々。これに対してZは噛み付いた訳です。「あんな無能なヤツを重宝がる理由がわからんな」――あーぁ言っちゃったよ…そしてまだ辞めてないAさんに伝わっちゃったよ…
誰が悪いというわけでもないこの話。
一見すると悪役なのはZなのですが、諸悪の根源はXらなのだろうと思います。
Aさんは非常勤でした。このたびのいわゆるボーナス額だって、私の五分の一しか貰っていません。ですが真面目なAさんは仕事を一生懸命にこなし、それこそ常勤レベルの働きをしていました。それがAさんの自負となり、そして、自分より仕事をしない人間(特に常勤)に対する暴言を生んでしまっていたわけです。実際にとても有能でしたが、Aさんの本来の仕事というのは、目の前の仕事を着実にこなして定時に帰ることに過ぎなかった。いわゆるルーティンワークだけさせておくべき人間に、裁量分野の多い仕事を与えてしまったXらの責任こそが問われるのだろうと思います。
Aさん、この七月一杯で雇用契約が切れます。
今、彼女は資格取得に向けて猛勉強中です。頑張って!
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