窮地の日本航空、そこで火事場泥棒をした僕-前編 購入編- 担当:ぬりかべ
2007年3月24日 唐突ですが大して飛行機も乗らないのですがJGCの資格を取った。
*ウィキペディアにてJALグローバルクラブを参照*
要するに、日本航空の終身会員のこと。いろいろな会員特典があるが、本来、会員になるには厳しい制約や条件がある。窮地に陥った日本航空は、この会員条件を期間を限定して大幅に緩和した。期間は今期一杯、すなわち3月31日まで。要するに決算に間に合わせるためである。
緩和された条件は、年50回搭乗(旅行代金にして約75万円相当)から3月までに20回搭乗(旅行代金にして30万円相当)ということであり、前代未聞の考えられないくらいの緩和であった。
日本航空が追い込まれたのには訳がある。
よくストライキをちらつかせる労働組合の存在は全日空も変わらない。それどころか、つい4年前は、日本航空は日本エアシステムと合併するほど企業体力の余裕を見せつけていた。一方、全日空はと言うと、全く利益が上がらず青息吐息の状態だった。
しかし、そこに燃料価格の高騰が襲い、両社の収支は逆転した。
日本航空は20%程度しか将来の燃料を抑えていなかった。一方、全日空は良き担当者がいたため、半年先まで先物取引で燃料を安価で確保できていた。たまたま生じていた更新時期の差による機体の燃費差も、全日空の方が相対的に必要な燃料が少なくて済むようになったため、それに拍車をかけることになった。
政府は航空運賃の値上げを緊急に行ったが、その価格は、全日空と日本航空が利益の出る水準のちょうど間だった。結果、全日空は大増益を遂げたが、日本航空は大赤字に陥ったのである。
本来、航空会社は倒産率の高い業種だ。
日本で倒産していないだけで、世界では数千億の売上を誇る航空会社が簡単に倒産していく。公共性が高いため資本の蓄積が甘いからである。ご多分に漏れず、日本航空も倒産の危機に見舞われた。社債の返還期限が迫っていたのである。利益が出ているならともかく、大赤字の状態で社債の繰り延べは銀行団に嫌がられる。というか断られる。結果、そうなった。
http://www.itoyama.org/contents/jp/days/2006/0703_2.html
銀行団から断られた日本航空は、自己の株式を安価で大量発行して凌いだ。株主総会終了後、時期を経ずに増資を行うという背信的行為に株主は激怒し、株主代表訴訟が提起され現在も争われている…。
というわけで、火中まっただなかの日本航空である。
何かやらかしてくれると思って待っていたら、くだんのJGC資格の大緩和であった。どうあっても日本航空は売上を伸ばしたいということだろう。火事場泥棒よろしく、このキャンペーンにぬりかべも文字通り乗ることにした。
条件の「20回搭乗、30万円相当」というのは飽くまで平均的な運賃で計算している。もっと安く行ける方法があるだろうと思って、一円も出さないことを前提に計画を練った。時間はできるだけ短期間にする必要がある。3月一杯だからのんびり観光なぞしている暇はない。半日研究した結果、理想的な航路を見つけた。
鹿児島-屋久島 1日往復5便(後日分かったことだが全てボンバルディア機)
これが片道約1万円である。これを全て乗れば一日10回乗れる。二日で20回をクリアできる。これで20万円。
20万円払うのも馬鹿らしい。マイルを使うことにした。マイルはご存じのとおり1.5万マイルほどで往復航空券に交換できるのであるが、それではキャンペーンの条件に適合しないということだった。マイルをJALクーポンに換えて使用しなければならなかった。しかし、そこも窮地に陥った日本航空のことである。やはりそこでも、なりふり構わないキャンペーンを展開していた。すなわち、
1 マイルからICクーポン 転換率1.5倍 期間限定3月一杯まで
2 ICクーポンで航空券 転換率1.25倍 期間限定3月一杯まで
両方のキャンペーン合わせて1.875倍の転換率となる。20万円の航空券を買うのに、
10万マイルあればいいことになる。しかし、10万ものマイルをどうやって得るか。10万マイルというと、最も効率の良いクレジットカードで500万円の買い物をしなくてはならない計算になる。常識的に考えて、不可能な話である。
しかし、ここにも裏技があった。追い込まれた日本航空がキャンペーンを展開しているように、追い込まれている会社が同様のキャンペーンを打つことがあるのだ。いわゆる、「投資信託を買ってもらった際にクレジットのポイントを差し上げます」という奴である。これはクレジット会社が行うこともあるが、投資信託を販売する会社が行うこともある。どっちが主体的であるかはどうでもよい。問題は、効率がいいかどうかだ。大抵のものは下らない程度のものであるが、ごくまれに驚くほど還元率のいいものが隠れているのだ。OMCクレジットとジェットウイング証券がまさにこれを展開していた。
投資信託を買うだけでいい。別にクレジットを用いる必要はない。証券会社に口座を設けて、所定の投資信託を所定の量、購入するだけで大量のポイントをくれるのである。後は実行あるのみで、投資信託を買い、翌日に速攻で売った。7万円ほど手数料を取られたが、翌月末にOMCクレジットに10万マイルに転換できるだけのポイントを得ることができた。ポイントがマイルに転換された後、これをICクーポンに転換、後は予約を取って全てクーポンで決済、結局、7万円の出資で20万円の航空券を得ることが出来た。ちなみに買った投資信託は中国株ファンドだったが、売らずに持っていれば20万どころではない利益が出ていたようだ。世の中うまくできている。
とにもかくにも準備はできた。予定で行けば、本来75万円かかるところを7万円でJGCの資格を得られることになる。しかし、飽くまで予定であり、乗らなければ資格は得られない。航空券を得た以上、あとは乗るだけである。乗れるのか? 1日10便。2日で20便。詳細は明日に。
*ウィキペディアにてJALグローバルクラブを参照*
要するに、日本航空の終身会員のこと。いろいろな会員特典があるが、本来、会員になるには厳しい制約や条件がある。窮地に陥った日本航空は、この会員条件を期間を限定して大幅に緩和した。期間は今期一杯、すなわち3月31日まで。要するに決算に間に合わせるためである。
緩和された条件は、年50回搭乗(旅行代金にして約75万円相当)から3月までに20回搭乗(旅行代金にして30万円相当)ということであり、前代未聞の考えられないくらいの緩和であった。
日本航空が追い込まれたのには訳がある。
よくストライキをちらつかせる労働組合の存在は全日空も変わらない。それどころか、つい4年前は、日本航空は日本エアシステムと合併するほど企業体力の余裕を見せつけていた。一方、全日空はと言うと、全く利益が上がらず青息吐息の状態だった。
しかし、そこに燃料価格の高騰が襲い、両社の収支は逆転した。
日本航空は20%程度しか将来の燃料を抑えていなかった。一方、全日空は良き担当者がいたため、半年先まで先物取引で燃料を安価で確保できていた。たまたま生じていた更新時期の差による機体の燃費差も、全日空の方が相対的に必要な燃料が少なくて済むようになったため、それに拍車をかけることになった。
政府は航空運賃の値上げを緊急に行ったが、その価格は、全日空と日本航空が利益の出る水準のちょうど間だった。結果、全日空は大増益を遂げたが、日本航空は大赤字に陥ったのである。
本来、航空会社は倒産率の高い業種だ。
日本で倒産していないだけで、世界では数千億の売上を誇る航空会社が簡単に倒産していく。公共性が高いため資本の蓄積が甘いからである。ご多分に漏れず、日本航空も倒産の危機に見舞われた。社債の返還期限が迫っていたのである。利益が出ているならともかく、大赤字の状態で社債の繰り延べは銀行団に嫌がられる。というか断られる。結果、そうなった。
http://www.itoyama.org/contents/jp/days/2006/0703_2.html
銀行団から断られた日本航空は、自己の株式を安価で大量発行して凌いだ。株主総会終了後、時期を経ずに増資を行うという背信的行為に株主は激怒し、株主代表訴訟が提起され現在も争われている…。
というわけで、火中まっただなかの日本航空である。
何かやらかしてくれると思って待っていたら、くだんのJGC資格の大緩和であった。どうあっても日本航空は売上を伸ばしたいということだろう。火事場泥棒よろしく、このキャンペーンにぬりかべも文字通り乗ることにした。
条件の「20回搭乗、30万円相当」というのは飽くまで平均的な運賃で計算している。もっと安く行ける方法があるだろうと思って、一円も出さないことを前提に計画を練った。時間はできるだけ短期間にする必要がある。3月一杯だからのんびり観光なぞしている暇はない。半日研究した結果、理想的な航路を見つけた。
鹿児島-屋久島 1日往復5便(後日分かったことだが全てボンバルディア機)
これが片道約1万円である。これを全て乗れば一日10回乗れる。二日で20回をクリアできる。これで20万円。
20万円払うのも馬鹿らしい。マイルを使うことにした。マイルはご存じのとおり1.5万マイルほどで往復航空券に交換できるのであるが、それではキャンペーンの条件に適合しないということだった。マイルをJALクーポンに換えて使用しなければならなかった。しかし、そこも窮地に陥った日本航空のことである。やはりそこでも、なりふり構わないキャンペーンを展開していた。すなわち、
1 マイルからICクーポン 転換率1.5倍 期間限定3月一杯まで
2 ICクーポンで航空券 転換率1.25倍 期間限定3月一杯まで
両方のキャンペーン合わせて1.875倍の転換率となる。20万円の航空券を買うのに、
10万マイルあればいいことになる。しかし、10万ものマイルをどうやって得るか。10万マイルというと、最も効率の良いクレジットカードで500万円の買い物をしなくてはならない計算になる。常識的に考えて、不可能な話である。
しかし、ここにも裏技があった。追い込まれた日本航空がキャンペーンを展開しているように、追い込まれている会社が同様のキャンペーンを打つことがあるのだ。いわゆる、「投資信託を買ってもらった際にクレジットのポイントを差し上げます」という奴である。これはクレジット会社が行うこともあるが、投資信託を販売する会社が行うこともある。どっちが主体的であるかはどうでもよい。問題は、効率がいいかどうかだ。大抵のものは下らない程度のものであるが、ごくまれに驚くほど還元率のいいものが隠れているのだ。OMCクレジットとジェットウイング証券がまさにこれを展開していた。
投資信託を買うだけでいい。別にクレジットを用いる必要はない。証券会社に口座を設けて、所定の投資信託を所定の量、購入するだけで大量のポイントをくれるのである。後は実行あるのみで、投資信託を買い、翌日に速攻で売った。7万円ほど手数料を取られたが、翌月末にOMCクレジットに10万マイルに転換できるだけのポイントを得ることができた。ポイントがマイルに転換された後、これをICクーポンに転換、後は予約を取って全てクーポンで決済、結局、7万円の出資で20万円の航空券を得ることが出来た。ちなみに買った投資信託は中国株ファンドだったが、売らずに持っていれば20万どころではない利益が出ていたようだ。世の中うまくできている。
とにもかくにも準備はできた。予定で行けば、本来75万円かかるところを7万円でJGCの資格を得られることになる。しかし、飽くまで予定であり、乗らなければ資格は得られない。航空券を得た以上、あとは乗るだけである。乗れるのか? 1日10便。2日で20便。詳細は明日に。
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